アスタキサンチンと血液脳関門


 アスタキサンチンはカロチンの仲間で、ビタミンEの約1000倍以上の抗酸化力を持つという抗酸化物質。美白・美肌に効果があるとされる他、糖尿病の予防や眼精疲労・痴呆対策にもなる、とのこと。サケ、イクラ、カニ、エビなどに多く含まれています。
 これだけだと「またか」という感じで、単なる次の「抗酸化」商品の一つとか思えません。何かのニュースで「抗酸化」物質を多く摂っている人の方が早死にしている、というのも見たことがありますし、サプリオタクのわたしですら食傷気味です。
 一つ面白いと思ったのは、アスタキサンチンが血液脳関門を通過する、というポイントです。

 血液脳関門というのは、簡単に言えば脳に流れ込む物質をフィルタリングしてくれているゲートです。脳内ではさまざまな神経伝達物質が働いていますが、そうした物質が食品から血液を通じて脳内に直接入ってきてしまっては、食べるもの一つで情報が大乱れです。
 一時期「ギャバ含有食品」などというものが売られていました(お漬物などに多かった)。確かにギャバには鎮静作用があり、ベンゾジアゼピン系のマイナー・トランキライザなどはこの作用を利用しているものですが、ギャバそのものはいくら食べても脳には届きません。血液脳関門が弾いてしまうからです。柴漬けをドカ食いしてやたらに心が落ち着いてしまっては大変でしょう。
 そういうわけで、神経伝達物質系の含有を謳っている健康食品などは気休めでしかないと思った方が良いのですが、明白に「血液脳関門を通過する」とされているアスタキサンチンはちょっと面白いです。
 アスタキサンチンにはドーパミン神経細胞の細胞死を抑制する働きがあり、そのためパーキンソン病や痴呆症の予防効果があるとされていますが、血液脳関門を通過するというなら、あながち新手のオマジナイ物質とも言えません(ただし細胞死抑制が検証されていたとしても、即パーキンソン病予防につながるとは言えないはず)。
 また、眼精疲労に効果がある、というのもこの性質と関係しており、アスタキサンチンは網膜への血流をフィルタしている血液網膜関門も通過してしまうそうです。
 ちなみに、「糖尿病予防」の効果は、アスタキサンチンにアディポネクチンを増やす働きがあるため、とのこと。アディポネクチンは脂肪を燃焼し血糖値を抑える働きがあるとされていて、以前にエントリを立てたこともあります。

 ただ、本当に文字通り直で通過してしまうとなると、大量摂取で副作用が出ないものか、心配になります。普通の食品から摂っている分には過剰摂取はまずあり得ないでしょうが、摂取上限や副作用について明示しているものが見当たりません。
 それでも、眼については色々しんどい思いをしているので、眼によろしいとなれば気をつけて摂ってみようかな、とも思います。一般に販売されているアスタキサンチンのサプリメントはヘマトコッカスという海藻からアスタキサンチンを集めているものが主流です。海藻のアスタキサンチンが、食物連鎖の結果よく蓄積されているのが、サケ、イクラ、カニ、エビなどの「赤い」魚介類ということです。個人的には、魚介類も海藻も普段から良く食べているので、特別食生活を変えるほどのこともないかと思いますが・・。
 ちなみに、「眼に良い」ことでは一番有名なブルーベリー等のアントシアニンですが、こちらは良く知られている割に根拠薄弱で、疑似科学の疑いが強いようです。
 眼が疲れたらブルーベリーよりカニ食べとけ!ということでしょうか。

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井藤漢方製薬株式会社

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