三外人



 三人の外人がいる。

 一人の外人は、時々やや不安げではあるものの、受け答えは概ねしっかりしている。しかし一見したところ、外人には見えない。
「あなたは外人なのですか?」
「え、外人? まぁ、ある意味外人かもしれませんねぇ」
 外人は腕を組み、考え込む。
「果たして、外人であるとは、いかなることでしょうね」

 二人目の外人は、見た目もしぐさも外人そのものだ。至って普通の外人かと思って話しかけると、実は日本人だという。
「子供の頃から外人になりたくて、ついに外国に行って、外人になったのですよ」
 外国の言葉もペラペラで、普通の外人と見分けがつかない。

 三人目の外人は、外人らしく見えるが、どことなく日本人のようでもある。どちらとも言えないという以前に、どちらでもないのではないか、という気にさせる。しかし、怪しい風情な訳ではない。話は通じそうだ。
「あなたは外人なのですか?」
 そう尋ねると、外人はおもむろにナイフを取り出し、自分のペニスを切り取って、わたしに差し出した。

 その肉片が、今でもわたしのところにある。