真のリアリストは寄る辺ない海岸を歩く

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 「圏外からのひとこと」さんの「耐震強度偽装問題に「現実主義」への原理主義的狂信を見る」という記事に、久々に美しいフレーズを見つけたので、引用しておきます。

世の中は金と権力だけで回っているわけではない。金と権力が現実であるのと同等に、愛と理想も現実であり、愛も金と同様に人を動かす力を持っているのだが、なぜか「現実主義者」たちは、そのような現実に目をふさぎ、自分の人生を犠牲にして、金の為だけに尽そうとする。

 念のためですが、愛や理想を称揚しているのではないですよ(笑)。
 ニーチェをニヒリストと呼んだ人は、無いものを無いという圧倒的なリアリズムに耐えられなかったのでしょう。
 寄りかかるものの何もないことを知って、その者は立ち止まったのでしょうか。
 ただ走ることをやめて、夕暮れの海岸を散歩し続けたのです。
 なにはなくとも、「さてどうしたものか」と。
 「現実主義」を謳うものは、何にせよ何か「現実的」なものを信じているわけです。しかし残念ながら、リアルなものははるかに無気味であり、しかも「現実なんてないさ」というほど甘くもありません。
 リアルなものは、不可能なものであり、常に回収し切れない「余り」として残るのです。

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