自分の嫌いなものを知る

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 猫はタバコが嫌いです。どんな猫でも、タバコの煙を吹きかけるととても不快そうな顔をして去って行きます。
 ところが、子猫に関してはこの限りではありません。一定の年齢に達するまでは、タバコの煙にもきょとんとした顔をしています。おそらくこれは、タバコに抵抗がないのではなく、まだ「自分はタバコが嫌い」ということに気づいていないのです。
 こんな風に、自分の好き嫌いとか欲求とかをきちんと自覚できるようになるには、ある程度の訓練が必要です。生理的好悪などと言うと、脳の深いところで自動的に決定されていてどうしようもないもののように思われていますが、この水準で反応が起こることと、意識化するなり社会化された形で表現するなりといったことは、別のレベルの問題です。普通の人間でも、眠かったりお腹がすいていたりしてイライラしているだけなのに、それと気ずかず精神的な問題だと思って悪循環にハマったりすることがありますが、フィードバック回路というのは決して完全ではありません。

 昭和三年に日本初のロボット「学天測」を作った西村真琴博士の意図は、現代のわたしたちの考える「ロボット」というよりは、完全なフィードバック回路を備えた「サイボーグ」的なものだったという話を聞いたことがあります。血糖値からホルモン状態までを数字で把握できる「メーター」を備えた超−人間です。正にmaster習得=制御するということです。
 ここから「強い自我」を良しとする自我心理学的モデルに安易に迎合してしまうわけにはいかないのですが、確かに社会的には一定のフィードバックとmasterが大切です。内的な生理反応のすべてを掌握しているわけではないにせよ、「こういう反応が出ている時は、こういう風に行動すればわたしは治るはず」という回路を掌握することです。これができない人間は「ガキ」と言われます。
 そしてその「ガキ」の典型がわたしです。
 テンションの変動が極めて大きいワタクシですが、いつもその原因がわかりません。きっとこれはただのヒステリーで、だっこが足りなかったりするだけなのですが、一度カリカリし出すとそんなことは思いつきもしません。暴走しまくってレッドゾーンに達しているのに、まだ気持ちや言葉の問題だと勘違いして、わけのわからない議論をふっかけたりしています。
 周囲の方の被害を最小限に食い止めるためにも、メーターは無理にせよ、大人の猫並みになりたいです……。
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