アラビア文字のフォント、ナスヒー体とルクア体


 前にArabic Through the Qur’anを取り上げた時、この本のフォントが日本でよく見るアラビア語フォントと違って読みにくい、ということを書いたのですが、アラブ・イスラーム学院のページに「正にコレ!」という例が載っていました。

 

 左が普通のフォント。右が手書き風フォント(追記:身近な人に言われてハッとしたのですが、上は二つの文字です。文字と文字のつなぎ方が違うのです)。
 今ではすっかり慣れてしまいましたが、最初の頃は「そもそも字が読めない」状態に陥って、似た形で発音表記のあるところはないか、教科書をひっくり返して探していました。
 どうもナスヒー体とルクア体(日本語の楷書体と草書体のような書法)に相応するようですが、完全一致はしないような気がします。「明朝体」にも色々ありますし、そもそも書法の区分とフォントの違いというのは、別の枠組に拠るものかもしれません。
 アラビア語の書体・カリグラフィについては、以下が参考になります。

Wikipedia:イスラームの書法
アラブ書道における代表的な書体
アラブ・イスラーム学院:アラビア書道
SUPPORT FOR AUTHENTIC ARABIC

 NHKテレビ アラビア語会話の師岡カリーマ・エルサムニー先生の共著『アラビア文字を書いてみよう読んでみよう』にルクア体の書き方が載っているようなのですが、さすがに文字で困るレベルは突破しているので、買おうか迷っています。このまま自己流ルクア体が定着してしまうのも怖いのですが・・・。
 関係ないですが、アラビア文字の書体について調べていた時見つけた矢島敬二東京理科大教授によるアラビア語文字処理システム開発秘話が何気に面白かったです。

 文字のことを考えていてふと気づいたのですが、アラビア語をディスプレイで読む時は、ちょっとフォントを大きめにしないと判読できません。小さい文字の外国語は読みにくい、というのは一般的なことでしょうし、英語の時は文字を大きくする、という方もいらっしゃると思います。
 では書籍でも同様に小さい文字が読めないかというと、確かに小さければ読みにくいのですが、ディスプレイほどシビアということはありません。
 おそらくディスプレイ上では解像度の関係から自覚以上に文字が潰れていて、ただ母国語の場合はコンテクスト等の情報から予想しながら読むことができているのでしょう。知覚と言語的理解が相互乗り入れしているようで、ちょっと面白いです。メルロ=ポンティっぽいですね。

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