おすすめビジネス英語本 TOEIC高得点者の弱点を補う

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 TOEICについて何度か触れていますが、TOEICのスコアが良かったら英語で仕事ができるかというと、まったくそんなことはありません。というより、本当に英語ができる人は最初からTOEICなど受けません。
 ちぶろぐさんで、「日常会話もロクにできないのにAクラスが取れてしまって、これってどうなんよ」といった内容がエントリされていましたが、本当にTOEICなどただのゲームです。もちろん、足切りとしては一定の基準になるでしょうが、「英語ができる/できない」、まして「英語で仕事ができる/できない」にはまるで直結しません。
 TOEICである程度スコアが取れてしまって、なおかつ仕事で英語を使う自信がない、という人(つまりわたしのような人w)に欠けているのは、一つにはもちろん経験ですが、今ひとつには「他愛もないスピーキングの能力」です。リスニング力とスピーキング力には相関性がある、というデータからTOEICではスピーキングが割愛されているそうですが、いくら聴き取れても定型句がしみ込んでいないとやっぱり話せません。
 この欠点を補う最良の方法がスピーキングの実践にあるのはもちろんですが、次善の策として書籍等を求めると、なかなか困ったことになります。使うとなるといわゆる「ビジネス英会話」的なものになるのですが、そこで目にするのは(TOEIC Aクラスなら)事実としては知っていることだらけの非常に拙い文例の羅列です。言うまでもなく、その基本的な文句が条件反射のように出て来ないところに問題があるのですが、なまじ点数だけ取れてしまうタイプの人間は、往々にして「こんなの簡単すぎる」と見切ってしまったりするものです。
 と、思っていたら、最近面白い本を発見しました。

『会社で使う英語 スキルアップゼミ』日向清人 桐原書店 1,785円
 ついこの間までNHKラジオビジネス英会話で講師をされていた日向清人先生の著書です。「これができればなんとかなる」「これができないと話にならない」という必要十分なパターン208に絞って徹底反復させるものです。来客応対、電話、会議、交渉、プレゼン、ライティング、の必須6分野をバランス良くカバーしています。
 それだけなら類書がいくらでもありそうですが、この本の良いところは、「なぜこの言い回しなのか」を徹底して解説しているところです。別パターンとの比較から、「なぜここは定冠詞であって不定冠詞ではないのか」「willをwouldにすることでどう変わるのか、willではダメなのか」「なぜここは過去進行形なのか、過去形にするとどう意味が変わるのか」等々、偏執的なまでに読者の疑問に先回りして詳細な説明が付けられているのです。時にしつこすぎてうっとうしくなるくらいです。
 つまり徹底反復という半身体レベルでの訓練を称揚する本であると同時に、語法に対する非常に左脳的な解説書でもあるのです。語学というと前者ばかりが褒めそやされますが、「きちんとした英語」を使おうとしたらやはり文法・語法についての一定の教養が必要ですし、一旦頭で理解することによって、その後の身体化がスムーズになることもあります。また、理屈っぽくてなかなかフィーリングに頼れない左脳人間のハートを掴む効果もあるでしょう。
 しつこいまでに基本的語法を反復解説していることも重要です。というのも、そもそも語法についての知識というものは、ボキャブラリ等と異なり、大抵の人は一度は潜ってきたものなのであり、つまり語法のほとんどは「基本的語法」なのです。語法がいい加減な人、TOEICで言えばPart5やPar6が苦手な人(つまりわたしのような人w)というのは、「そんなこと知ってるよ」と基本を疎かにしているだけなのです。しつこいくらいに繰り返されて、たまに「あ、忘れてた」と思い出すくらいで丁度良いわけです。
 ちなみに、日向先生はbe208というサイトを運営されていて、この本もこちらのサイトと連動する形になっています。
 これからビジネス英語に取り組もう、という人はもちろん、TOEIC等のテストでそこそこ点数が取れるのにやっぱり話せない、という方に是非お勧めしたいです。
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