レプチン、アディポネクチン、褐色脂肪細胞

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『人はなぜ太るのか―肥満を科学する』 岡田正彦『人はなぜ太るのか―肥満を科学する』 岡田正彦
 ちょっと恥ずかしい書評(笑)。
 脂肪の種類や炭水化物の代謝、GI値(グリセミック指数)、肥満と遺伝の関係や肥満の測定方法、適切な食餌療法と運動など、内容としては割りとありきたり。ダイエットオタクにとっては目新しいところはありません。逆に言うと「グリセミック指数って何?」「飽和脂肪酸って?」なダイエット初心者なら、網羅的に知識を得られて丁度良いでしょう。
 一つ興味深かったのはレプチンというホルモン。


 本書は「楽して痩せられる運動法はない」「痩せ薬に注意」と、いかにも良識ある科学者の書らしく乙女の夢を打ち砕いてくれているのですが、その中で「夢の痩せ薬につながるかも」と着眼しているのがレプチンです。
 レプチンとは、脂肪細胞で作られる一種のホルモンで、脳の視床下部にある摂食中枢に作用して、食欲を抑制します。同時に褐色脂肪細胞に働きかけて脂肪燃焼を促進する働きがある、とのこと(※)。レプチンの分泌もしくは受容体(レセプター)のいずれかに異常があると、病的肥満につながる、と言われています。
 遺伝子の異常でレプチンがないかレプチン受容体が機能していない患者さんに投与したところ、特に副作用もなく平均16キロほど痩せた、という事例が報告されています。一方で同じような異常がある成人に投与して「7キロほどしか減らなかった」ことから、別の因子が働いている可能性がありまだ未解明、という記述があります。7キロでも十分だと思うのですが(笑)。
 ただしレプチンは経口投与してもダメで注射する必要があり、遺伝子異常のない人への効果はまだわかっていない、とのこと。
 またアディポネクチンというホルモンについても触れられています。アディポネクチンはレプチンと同様に脂肪細胞でのみ作られる特殊な物質ですが、脂肪細胞が増えると血液中の量が減少する、という不思議な振る舞いをするそうです。糖尿病や動脈硬化症の人では明らかにアディポネクチンの量が減少しており、何らかの相関関係が疑われていますが、またメカニズムはよくわかっていない、とのことです(アディポネクチンの分泌を促すというサプリメントも販売されています)。
※脂肪には白色脂肪細胞と褐色脂肪細胞があります。脂肪の大多数は白色脂肪細胞で、全身に存在し、細胞内に中性脂肪を溜め込んでいます。一方、褐色脂肪細胞は一部の内臓と筋肉に存在し、中性脂肪を熱に変換する働きをしています。言わば「善玉の脂肪」ですが、この辺りの仕組みもまだよくわかっていないようです。
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