ネタという言葉の意味が関東と関西で違う?


 「ネタ」という言葉の使い方が、関東と関西で少し違う気がします。
 関東で「ネタ」というと、「作り話」ということで、「なんだ、ネタか」と「実話」より一段低い扱いを受けることが多いように思います。ネット上でも、「ネタ」という言葉は、「事実ではない」を意味するケースが多いでしょう。
 関西における「ネタ」も作り話であることはあるのですが、例えば事実を元に脚色を加えたもの、あるいはフィクション・ノンフィクションを問わず「面白い話」を意味している場合がしばしばあるように思います。
 わたしは鎌倉>京都>東京と「幕府かっ」な転居生活をして、京都には十年以上住んでいたのですが、ネイティヴ関西人ではありません。ネイティヴに不快感を与えない程度の関西弁を話す、というか今でも安心すると基本関西な言葉になりますが、それでも「ディープ関西」をキチンと認識できているかは覚束ないです。ですから、ここでの「関西での使用法」も妥当かどうか自信がないのですが、関西日常語における「ネタ」は、どちらかというと肯定的なニュアンスを帯びていて、厳密な事実であるかどうかは二の次とされている、という印象があります。
 「話のタネになる」の「タネ」は、関西の「ネタ」に近いのではないでしょうか。「タネ」が膨らんで「面白い話」になり、その過程で脚色が入ったりして事実とズレることもしばしばなのですが、誰もそこで「いや、そこは事実と違う」などとツッコみはしません。面白ければ、それは「ネタ」ですし、逆に少なからぬ「ネタ」は、まったくの架空のお話ではなく、多少なりとも事実に基づいています。
 東京での日常会話でちょっと大げさに面白く話してしまい、「いやいやネタですから」「なんだネタか」という反応を受けることがあります。多分、この時関東の人は「本当の話だと思ったのに、作り話だったのか」という受け止め方をしているのではないでしょうか。わたしとしては、多少脚色が入りはしたものの、フィクションを語ったつもりではないのです。「ちょっと大げさに言っちゃったね、ごめん」みたいな軽い感じなのです。
 この感覚の違いが本当に関東・関西に基づくものなのか、まったくわたし個人の性質によるのか、それはわかりません。
 わたしのような遊牧民ではなく、ずっしりと関西に根を下ろしたリアル関西人の方のご意見を伺ってみたいところです。

4569573835 「関東」と「関西」こんなに違う事典―知ってビックリ! (PHP文庫)
日本博学倶楽部
PHP研究所 2000-02