アラビア文字のフォント、ナスヒー体とルクア体

 前にArabic Through the Qur’anを取り上げた時、この本のフォントが日本でよく見るアラビア語フォントと違って読みにくい、ということを書いたのですが、アラブ・イスラーム学院のページに「正にコレ!」という例が載っていました。

 

 左が普通のフォント。右が手書き風フォント(追記:身近な人に言われてハッとしたのですが、上は二つの文字です。文字と文字のつなぎ方が違うのです)。
 今ではすっかり慣れてしまいましたが、最初の頃は「そもそも字が読めない」状態に陥って、似た形で発音表記のあるところはないか、教科書をひっくり返して探していました。
 どうもナスヒー体とルクア体(日本語の楷書体と草書体のような書法)に相応するようですが、完全一致はしないような気がします。「明朝体」にも色々ありますし、そもそも書法の区分とフォントの違いというのは、別の枠組に拠るものかもしれません。
 アラビア語の書体・カリグラフィについては、以下が参考になります。
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身になることのできない相手との対話

 今まで何度となく「共存」「理解」といった美辞の秘めた暗部について触れてきました。< 他者>とは応答せざるものであり、「他人」というより死者を想定する方が適切です。
 この問題系のとてもわかりやすい一例を、『一神教文明からの問いかけ』の池内恵氏のテクストの中に見つけることができました。

『一神教文明からの問いかけ―東大駒場連続講義』 宮本久雄 大貫隆 『一神教文明からの問いかけ―東大駒場連続講義』

 ユダヤ教・キリスト教・イスラームのセム系一神教をめぐる十一講。池内氏が語るのはイスラームにおける律法主義と霊性主義です。
 律法主義とは、読んで字の如く律法や戒律といった形式を重んじる信仰の形式。霊性主義とは、イスラーム神秘主義(スーフィズム)のように、神との霊的合一など、内面の神的体験を重視する考え方です。
 日本におけるイスラーム理解において、大衆的には厳しい戒律のイメージが先行するものの、アカデミックな分野ではむしろ形式や法を超えた神秘主義やイスラーム哲学が紹介されるきらいがありました。またイスラームを擁護しようとする立場からか、イスラームにおける「寛容」を過剰に強調する論も見られます。
 しかし池内氏は、こうした面に注目したイスラーム「理解」の危険を指摘します。
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しそ油(えごま油)は炎症を抑えるか

 訳あって炎症がひどい状態で、少しでも炎症を抑える役に立たないかと、久しぶりにしそ油(えごま油)を買いました。みさき健康食品というところでいつも買っています。
しそ油(えごま油)
 しそ油(えごま油)はn-3系多価不飽和脂肪酸のαリノレン酸が主成分。多価不飽和脂肪酸にはn-3系とn-6系があり、n-3系はしそ油に含まれるαリノレン酸、青魚に含まれるEPAやDHAが知られています。n-6系は大豆油・コーン油に多いリノール酸が代表的です。
 n-3系とn-6系は免疫に関して相補的な働きをしている言われ、n-3系が抑制、n-6系が活性化とされています。免疫が活性化されるのは結構なのですが、バランスか崩れると過剰反応となります。アレルギー症状等には、植物油によるn-6系の過剰摂取が関与しているのでは、という説もあります。
 実際にはこんな単純な模式的関係なわけはないのですが、気持ちの問題もあるので、極力通常の植物油を取らず、しそ油をちょっとだけ摂取するようにしています。
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共食いテラ豚丼

 「(元)登校拒否系:テラ豚丼祭りと自由への恐怖」の炎上具合が余りにも愚劣で不愉快なので、一言だけ言及しておきます。
 わたしは左翼が大嫌いです。ですから、彼の論にも全面的にouiと言うものではありません。
 テラ豚丼を作った「犯人」にはもちろん、罪があります。豚肉を食べたことです
 ですから、裁かれなければなりません。
 しかし屠殺するなら、ここに群がっているどもが先だ!

 戦闘者ファッショ同胞よ! まず奴隷どもから皆殺しにしろ! 目印はBMIだ!

『サウジアラビア現代史』 岡倉徹志

『サウジアラビア現代史 (文春新書)』 岡倉徹志 『サウジアラビア現代史』 岡倉徹志

 マッカ・マディーナの二大聖地を擁し、厳格なワッハーフ派を奉じるサウジアラビア。一方で親米路線を取りアメリカに自国内駐留を許し、サウード家による王族支配の国でもあり、またウサーマ・ビン・ラーディンら「原理主義者」を多く世界に送り出してしまった地でもあります。
 大塚和夫さんの『イスラーム主義とは何か』で、イスラーム復興と絡んだ「第一次ワッハーフ王国」の歴史的経緯には触れていたのですが、その後のサウジアラビア史が知りたくて手に取りました。
 9・11直後に雨後の筍の如く出版された新書の一つではありますが、内容はとてもしっかりしていました。
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