アラビア語の数詞

 アラビア語の文法は数学的に精緻に構造化されていることで知られていて、語学マニアの中にはこの文法の複雑さに惹かれてアラビア語を始める人もいるようですが、わたしの脳みそにはひたすら負荷が高いばかり。結構色々な言語を齧りましたが、このわけのわからなさはラテン語に勝るとも劣りません。
 アラビア語というと、見慣れないアラビア文字のインパクトが大きいと思いますが、文字は意外と早く習得できます。右から左に書くのも自然。手で文字を書くということがほとんどない生活なので、一番手書きしているのがアラビア語です。たまに英語を右から読もうとしてしまい、ハッとすることがあります。
 というか、一旦文法の学習に取り組むと、こっちがヘヴィすぎて文字の壁なんて一瞬で忘れます(笑)。
 動詞の活用が非常に多いこと(人称・性・数・時制・態・法の組み合わせで一つの動詞が大体100通りくらいになる)は覚悟ができていたのですが、実際始めてみて一番インパクトを受けたのが数詞です。

“アラビア語の数詞”の続きを読む

KEIのわかるキーワードアドバイスツール

 こんなものを作ってみました。

キーワードアドバイスツールKEI with Ferret

 Ferretの提供している検索回数からKEI(キーワード有効性指標)を算出する豆ツールです。
 オーバーチュアのキーワードアドバイスツールがサポート終了し、この結果を利用していたツールにも停止してしまったものがあります。KEIが表示されるツールで無料・登録不要というところが見当たりません。一件、無料登録できるツールを捨てアドで試してみましたが、重くて実用に耐えませんでした。
 Ferretも一応登録は必要ですし、検索結果数もどこから取得しているのかよくわからないのですが、目安程度にはなるではないかと思います。

騙される練習

 「上司に連れられてキャバクラ行ってきた」
 上司に連れられてキャバクラに行ったら、あれよあれよという間にイイ感じのトークに引き込まれ、いつのまにかハマっていた、というお話。

いや営業トークだろとか
仕事だからとか
お世辞だろとか
薄々分かってるんだけど
でも分かりきれてないっていうか
そんなことどうでもいいっていうか
なんだろうこの不思議な感覚
別にそれでもいい、ずっと騙し続けてくれるなら、それが真実だ、みたいな感覚
あの某ネズミランドに行くような感覚と一緒だ

“騙される練習”の続きを読む

任侠プロトコル

 muse-A-museさんが「かしこさ」よりも「五常」がほしいで仁義礼智信について書かれています。拝読していてふと気づいたのですが、「義」についてほとんど触れられていません。一番わかりやすいと感じられたのか、何か意図があってのことなのかわかりませんが、ちょっと気になります。

“任侠プロトコル”の続きを読む

サイボーグ・ファシズムと創造論

 サイボーグ・ファシズムについて、大分以前に「サイボーグ・ファシズムの対極は信仰か?人間は神の創造したものだから」というコメントを拝見しました。こうした立場からすると、一神教寄りのわたしの言説とサイボーグ・ファシズムは齟齬を来しているのではないか、という疑問が生じることではないかと思います。
 別段安い「一貫性」に拘泥するつもりはないのですが1、サイボーグ・ファシズムが信仰とどう関係するのか、現時点での考えをメモしておきたいと思います。
 なお、件のコメント者に対して反論や批判を試みよう、という意図ではありません。むしろ、こうした切り出し方ができる慧眼に敬意を表し、わたしなりの展開で返答しよう、というものです。

“サイボーグ・ファシズムと創造論”の続きを読む

  1.  こうして「とんでもない」ことを書いていると(書いているにも関わらず)、たまに「論理の内的破綻を指摘して批判する」という思い切り王道な「批判」に出会うことがありますが、破綻させようとして破綻させているものを「破綻している」と指摘するのは、「正しく誤読」されているのか、それとも狙ってやっているのか、判断に迷います。迷わせている限りで、転移的残余が生じるという点で、彼または彼女は「成功」しているわけですが(笑)。
     念のためですが、わたしは「内的一貫性」など微塵も重んじていません。むしろそうした肛門的吝嗇を徹底的に破壊しようとしています。書かれていないことだけが重要です。何かが常に書かれないのです。書かれなかったものへ飛翔するためには、書いて、書ききって(断言して)しまわなければなりません。
     そして書ききれなかったことに戻り「いや、わたしの言いたいことは・・」と背進するのではなく、次の断言へ進むのです。余白=周縁へと欲望を投げることが、わたしたちの義務なのであり、「義務」の肛門性を超越する唯一の方法なのですから。
     「一貫性」フェチで「わたしは生きているのか、死んでいるのか」という問いで防衛するケチなマザコン坊やどもに、残らずキンケリ入れるのが、わたしたちの仕事です。 []

やりたいこと、なすべきこと、できること

 大昔に知人がミニコミ誌に登場し、そこで「やりたいこと、なすべきこと、できること、どれを基準に行動するか」といった質問を受けていました(毎回「注目の人物」が取り上げられ、同じ質問がされるらしい)。当時の彼は、「できること」を選んでいました。おそらく、その頃のわたしも同じだったと思います。
 青臭くて、身体中が痒くなります。
 当時のわたしの考えは、「『できること』は、世界とわたしに予め織り込まれた限界である、ゆえにそれこそが神の意志」のようなものだった気がするのですが(狭義の宗教的神を想定する必要はない)、翻せば「できないのも天の采配」という無責任でしかありません。

“やりたいこと、なすべきこと、できること”の続きを読む

王子無職説

 「小口容子『ワタシの王子』」のコメント欄で、小口容子さんとSM談義に花を咲かせています。その中で、「王子無職説」という仮説が突然閃きました。
 「王子」というのは、理想的サディストを指す小口用語なのですが、

ish:
王子はやっぱり王子であって「王」じゃダメなんですか。「王」の扱いの低さが、前から気になっています。女のサディストは「女王様」なのに、男が「王様」とは絶対呼ばれないじゃないですか。いや、そりゃ呼ばないでしょうよ、というのは100パー分かっていますが、「王」がすっ飛ばされて王子に行くロジックというのは、何がしか語れるものがある気がしています。

 という小学生のような疑問を(ビクビクしながら)彼女にぶつけてみたろころ、素晴らしい答えが返ってきました。

“王子無職説”の続きを読む

『第三の脳 皮膚から考える命、こころ、世界』傳田光洋

 「『脳は存在しない』くらい言ってみる」のはてブで、ニーとホープのmassunnkさんが素晴らしいコメントを付けてくれています。

脳だけでものを考えようとする発想がわからないんだよなー末端あっての脳なのに。皮膚とかさ。ヒフヒフ。

 これに対しては「まったくその通り! 脳トレするより筋トレしろ!」という主旨を該当エントリに追記してあるのですが、この流れでmassunnkさんが紹介してくれたのが傳田光洋さんの『第三の脳』。

『第三の脳―皮膚から考える命、こころ、世界』 傳田光洋 『第三の脳―皮膚から考える命、こころ、世界』 傳田光洋

 スキンケアオタクとしては見過ごせない!と思い早速読んでみたのですが、脳・こころ・進化系の本として面白いだけでなく、胸がギュギュギュ~とされる切ない本でした。話題としてはどちらかというと理系男子ノリなのですが、文体も本の雰囲気も「優しい」空気に満ちていて、行間から赤外線ストーブのような温かみが感じられるのです。
 J.C.リリー1やテンプル・グランディン2など、皮膚の話題で出会うとは予想もしていなかった「気になる人たち」も登場します。極私的には、出身校が一緒だったり、たたき上げの皮膚スペシャリストではない辺りも、感情移入してしまいます(格が違いすぎますが)。

 以下、特に気になったポイントをメモしておきます。

“『第三の脳 皮膚から考える命、こころ、世界』傳田光洋”の続きを読む

  1. 「『ジョン・C・リリィ生涯を語る』マッドサイエンティストの自伝」参照。 []
  2. 「『動物感覚―アニマル・マインドを読み解く』 テンプル・グランディン」「『火星の人類学者』 オリヴァー・サックス」「『我、自閉症に生まれて』 テンプル・グランディン」参照。 []

イスラーム人生相談所 ちょっとイイ話

『現代アラブ・ムスリム世界―地中海とサハラのはざまで』 大塚和夫 『現代アラブ・ムスリム世界―地中海とサハラのはざまで』 大塚和夫

 「『イスラーム主義とは何か』大塚和夫」「都市生活者は唯一神と移動する」等で触れさせて頂いた大塚和夫氏編によるムスリム社会の文化人類学的調査報告・論文集。「アラブ・ムスリム世界」とありますが、対象は主に北アフリカのエジプト、モロッコ、チュニジアです。
 北アフリカという地域は、ヨーロッパのコンテクストでは明確な地位を備えているものの、日本人にとってはあまりはっきりと分節化されていないことが多いでしょう。日本で「アフリカ」と言うと、サハラ以南のアフリカが連想され、北アフリカについてもその延長でイメージされてしまう傾向があります。しかし北アフリカは、むしろ中東や南ヨーロッパとの結びつきが強い「地中海文化圏」であり、また最大のアラビア語話者人口を抱えるエジプトを擁するイスラーム文化の一大中心地域でもあります。
 本書はその北アフリカのムスリム社会における、細かな日常を垣間見られるエピソードが沢山収められていて、単純に読み物として読んでも面白いです。特に良かったのが、エジプトはアズハル・モスクのファトワー委員会の様子を伝える小杉泰氏による「イスラーム人生相談所」。

“イスラーム人生相談所 ちょっとイイ話”の続きを読む